重りが三個の場合
重りの数が三個の場合について考えてみます。 二個の場合と同様に、 以下の運動
方程式が得られます。 X1、X2、X3 は静止位置からの重りのズレを示しています。
右方向を+方向に取っています。
M・( d2X1/ dt2 )=−KX1+K( X2−X1)
M・( d2X2/ dt2 )=−K( X2−X1)+K( X3−X2)
M・( d2X3/ dt2 )=−K( X3−X2)−KX3
ここで、重りの質量は全て同じで M、バネ定数も全て同じで K です。これらを少し書
き換えると、
d2X1/ dt2=( K / M )・(−2X1+X2)
d2X2/ dt2=( K / M )・( X1−2X2+X3)
d2X3/ dt2=( K / M )・( X2−2X3)
一番目の式にα、 二番目の式にβ、 そして、三番目の式にγを掛けて全て足し合
わせます(α、β、γは定数)。
d2(αX1+βX2+γX3)/ dt2
=( K / M )・{ (−2α+β)X1+(α−2β+γ)X2+(β−2γ)X3 }
=−定数・(αX1+βX2+γX3)・( K/ M )
三番目の式が成り立つように、α、β、γと定数を決定します。 こうすることで、新た
な変数、 X=αX1+βX2+γX3に関して微分方程式が解けるようになります。 二
番目の式と三番目の式を比較すると、
(−2α+β):(α−2β+γ):(β−2γ)=α:β:γ
よって、次の三式が得られます。
−2αβ+β2=α2−2αβ+γα -> β2=α2+γα
γα−2βγ+γ2=β2−2βγ -> γα+γ2=β2
−2γα+βγ=αβ−2γα -> βγ=αβ
以上の式を解くと、
α:β:γ -> 1:(2)1/2:1または1:−(2)1/2:1または1:0:−1
が得られます。 このとき、定数はそれぞれ、2−(2)1/2、2+(2)1/2、2 となりま
す。
課題(その1)
上記で示した方法を重りの数がN個の場合に一般化してください。 行列や行列式な
どの線形代数学の計算法を使っても構いません。