バネの単振動
バネを10cm伸ばした位置から離したときのバネの単振動の様子を示します( 図
1参照、Functionviewで作成)。重りの質量mを100gとし、バネ定数Kをパラメ
ータにしました。バネの伸びXは以下の式で与えられます。
X=B COS(K/m)1/2 t
上記の例の場合は、B=0.1mでm=0.1kgとなります。
バネ定数が大きいほどまた重りの質量が小さいほど、 バネは激しく単振動するこ
とになります。
次に、 放物線運動と同様に空気抵抗がある場合に、 単振動がどのように変わる
かを考えてみましょう。 重りに関する運動方程式(微分方程式)は、空気抵抗の項
を加えて、
md2X/ dt2=−rdX/ dt−kX
となります。この場合も、減衰項EXP(−Ct)が付くことは想像できると思います。し
たがって、解として以下の形を考えることにしましょう。
X=EXP(−Ct)・( A SINωt+B COSωt )
よって、速度と加速度は次のようになります。
速度:dX/ dt=−C EXP(−Ct)・( A SINωt+B COSωt )
+ωEXP(−Ct)・( A COSωt−B SINωt )
加速度:d2X/ dt2=C2 EXP(−Ct)・( A SINωt+B COSωt )
−2Cω EXP(−Ct)・( A COSωt−B SINωt )
−ω2 EXP(−Ct)・( A SINωt+B COSωt )
後は、初期条件からA、B、Cを決定すればいい訳です。 まず、空気抵抗がない場
合と同様にバネをX0だけ伸ばした状態から重りを静かに放すとしましょう。
t=0でX=X0であるから、
X0=B ・・・・・(1)
また、t=0でV=0であるから、
0=−CB+ωA ・・・・・(2)
そして、t=0で加速度は−kX0/ mとなるから(上記の運動方程式の右辺第一項
が0になることに注意すれば)、
−kX0/ m=BC2−2ACω−Bω2 ・・・・・(3)
最後に、 運動方程式にXを代入してEXP(−Ct)・( SINωt)の係数を比較すると、
AC2+2BCω−Aω2=−kA/ m+r(AC+Bω)/ m ・・・・・(4)
これら(1)から(4)までの四つの式を解くと、AとCは以下のようになります。
A=X0・(k/ mω2−1)1/2
C=r/ 2m
ここで、ωは以下の式で与えられます。
ω=(k/ m−r2/ 4m2)1/2
振動しながら減衰していく解を求めているので、 上記の式のカッコ内は正になると
します。つまり、
k−r2/ 4m>0
空気抵抗( r=0.1kg/s )がある場合の単振動の様子を以下に示します( 図2参
照、Functionviewで作成)。
空気抵抗( r=0.5kg/s )がある場合の単振動の様子を以下に示します( 図3参
照、Functionviewで作成)。