7-3.物質と精神


 

物質と精神に関する書籍

Quantum Mechanics and Consciousness

 

 

死後の世界輪廻転生などの宗教観を持ち出すまでもなく、 物質精神に関する

議論は科学が著しく進んだ21世紀においても興味深いテーマです。 とりわけ、物理

現象と人間の脳に由来すると思われる意識との関わり合いは、  量子力学などでも

いろいろと論争の的になっています。また、物理的・化学的な条件が整えば、意識を

持つ人工的な脳を作ることはできるのでしょうか。 勿論、などの注入なしにです。

そして、コンピュータ技術の発展にも目覚ましいものがあります。人工知能は将来意

識を持つようになるのでしょうか。 残念ながら今の段階では、 誰も答えを持っていま

せん。まず、問題を簡単に整理することから始めましょう。

 

意識とは何かという定義付けから考えてみます。 辞典を調べると、いろいろと難しい

言葉が並んでいて判り辛い所もあります。  簡単に言えば、 自分と他の世界を区別

する精神的な感覚という感じになるでしょうか。人間のように、言語活動に基づいた

論理構成はないものの、  どのような生物にも多かれ少なかれこの感覚はあるよう

に思います。では、生物を形作っている物質には、この感覚はないのでしょうか。もし

、ないとすれば、物質がどれくらい集まれば、この感覚が出てくるのでしょうか。分子

生物学遺伝子工学がかなり進んでいる現在、 上記のことを確認する実験はある

程度可能になって来ています。例えば、人工生物を作って実際に存在する生物と

較実験をすれば良い訳です。 コンピュータ上に、 意識を持つ人工知能を作るという

アイデアも面白いと思います(可能ならば)。

 

以下に、意識の実験に関するチェック項目をまとめます。

 

<実際の生物に関して>

 

(1)言語活動が可能な人間だけが意識を持つ  (2)ある程度の脳サイズがないと意

識を持たない  (3)脳サイズに関係なく何らかの神経組織があれば意識を持つ  (4)

神経組織がなくても多細胞生物なら意識を持つ (5)単細胞生物でも意識を持つ(6)

ウイルスレベルでも意識を持つ

 

<物質に関して>

 

(7)DNAなどの情報を記憶する分子にも意識はある   (8)たんぱく質など有機物に

も意識はある  (9)無機物にも意識はある  (10)電子などの素粒子レベルにも意識

はある(11)意識はエネルギーの別な形態である(超能力の源!?)

 

<コンピュータに関して>

 

(12)有機物を使ったコンピュータなら意識を持つ  (13)半導体などの無機物を使っ

ったコンピュータでも意識を持つ

 

(1)〜(13)について、 実験をするための方法論を具体的に議論してみましょう。 そ

れには、意識の定義を実験に合わせたものに変える必要があります。

 

 

 

 


 

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