第一の法則の証明
まずは、楕円運動が惑星の運動方程式を満たすことを証明する前に、楕円運動の
特殊な例である円運動が運動方程式を満たすことを確認しましょう。
ベクトル表示の運動方程式は以下のようになります。ただし、R=| R | です。
m d2R / dt2=−mMG R / R3
太陽の周りを公転する惑星の運動は、 一つの平面上で行われているので二次元
の問題として考えます。 したがって、上記の運動方程式は成分別に次のようになり
ます。
X成分: m d2X / dt2=−mMG X / R3
Y成分: m d2Y / dt2=−mMG Y / R3
ここで、式の両辺をmで割ると、
d2X / dt2=−MG X / R3
d2Y / dt2=−MG Y / R3
ゆえに、上式にYを掛けたものと下式にXを掛けたものは等しくなります。
Y d2X / dt2=X d2Y / dt2(微分方程式)
では、円運動の場合に上記の関係を満たしているかを確認してみましょう。
円運動の場合は、角速度ωで円軌道を動いているので、
X=R COSωt
Y=R SINωt
t=0で、惑星は(R 、0)にいたものと仮定しました。太陽は原点(0、0)においてい
ます。この例では、Rは定数になります。
運動方程式から導出された微分方程式に、上の二つの式を代入してみます。
左辺=(R SINωt)・(d2(R COSωt) / dt2)=−R2ω2 SINωt COSωt
右辺=(R COSωt)・(d2(R SINωt) / dt2)=−R2ω2 COSωt SINωt
以上から、円運動が運動方程式を満たしていることが判りました。
次に、楕円軌道を検討してみましょう。