第二の法則の証明
ケプラーの第二の法則(面積速度一定の法則 )をベクトルの外積の考え方と運動
方程式を使って証明してみましょう。太陽から惑星に向かう動径ベクトルが単位時
間にスイープする面積Sはベクトルの外積を使って以下のようになります ( 図1参
照、Functionviewで作成)。
したがって、Sの時間微分が0になることを証明すれば良い訳です。ベクトルRとベ
クトルVの外積の時間微分を計算してみます。ただし、惑星に関する運動方程式を
ベクトル表示したものは以下のようになります。
m dV /dt=−m M G R / R3
ここで、mは惑星の質量、Mは太陽の質量、そしてGは万有引力の定数です。 また
、ベクトルは太字のイタリック体で表しています。V は惑星の速度ベクトルであり、
R は太陽から惑星に向かう動径ベクトル(または位置ベクトル)です。 よって、 R=
| R |であることに注意してください。
上記の式において、mで両辺を割ると次のようになります。
A =dV /dt=−M G R / R3
A は惑星の加速度ベクトルです。
ゆえに、R X V の時間微分は
d(R XV )/dt=(dR /dt)XV +R X(dV /dt)
運動方程式を使って書き換えると、
d(R XV )/dt=V X V −R X M G R / R3
=0 (証明終わり)
となります。 上記の式で、V X V =0 およびR X R =0 という関係を使うと、最終
的な結論が得られます。0 は零ベクトルを表しています。
以上からSの時間微分が0になることを証明できました。 ベクトルの外積に関する
計算については、コーヒーブレーク(発展編)のベクトル解析で詳細に説明します。
太陽に近い領域では、惑星の速度の大きさは増すことになります。