第二の法則の証明


 

ケプラーの第二の法則(面積速度一定の法則 )をベクトルの外積の考え方と運動

程式を使って証明してみましょう。太陽から惑星に向かう動径ベクトルが単位時

間にスイープする面積Sはベクトルの外積を使って以下のようになります ( 図1参

照、Functionviewで作成)。

 

DAINI-NO-HOUSOKU-SHOUMEI.GIF - 3,077BYTES

 

したがって、Sの時間微分になることを証明すれば良い訳です。ベクトルRとベ

クトルVの外積の時間微分を計算してみます。ただし、惑星に関する運動方程式を

ベクトル表示したものは以下のようになります。

 

m dV /dt=−m M G R / R

 

ここで、は惑星の質量、Mは太陽の質量、そしてGは万有引力の定数です。 また

、ベクトルは太字のイタリック体で表しています。V は惑星の速度ベクトルであり、

R は太陽から惑星に向かう動径ベクトル(または位置ベクトル)です。 よって、 R=

| R |であることに注意してください。

 

上記の式において、mで両辺を割ると次のようになります。

 

A =dV /dt=−M G R / R

 

A は惑星の加速度ベクトルです。

 

ゆえに、R  X V の時間微分は

 

d(R XV )/dt=(dR /dt)XVR X(dV /dt)

 

運動方程式を使って書き換えると、

 

d(R XV )/dt=V X VR X M G R / R

(証明終わり)

 

となります。 上記の式で、V X VおよびR X Rという関係を使うと、最終

的な結論が得られます。は零ベクトルを表しています。

 

以上からSの時間微分が0になることを証明できました。 ベクトルの外積に関する

計算については、コーヒーブレーク(発展編)のベクトル解析で詳細に説明します。

 

太陽に近い領域では、惑星の速度の大きさ増すことになります。

 

 

 

 

 


 

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