振り子の正確な周期


 

近似的な計算では振り子の周期振れ角依存しませんでした。 では、 数値計

算でより正確な周期を求めてそれがどのようになるかチェックしてみましょう。

 

まず、振り子の糸の長さを0.3メートルとします。 振り子の近似的な周期は2π/(

G/L)1/2で与えられるので、重力加速度9.8メートル/秒を使って 約1.1秒とな

ります。

 

力学的なエネルギーの保存則を使えば、 任意のθでの速度の大きさを計算する

ことができます。 これを使って振り子の重りが円周上の微小な距離LΔθを移動す

るのにかかる微小時間を計算できます。よって、正確な周期はこれらをθ0から

角度まで積分して4倍すれば得られます(図1参照)。

 

振れ角がθ0のときの重りの速度は、

 

V={ 2GL( COSθ−COSθ0) }1/2

 

この速度で微小距離Ldθ(極限で)を動くので、振り子の周期は

 

T=4Ldθ/ { 2GL( COSθ−COSθ0) }1/2

 

で与えられます。ただし、積分の範囲はθ0からまでです。

 

FURIKO-SEIKAKU-SHUUKI-2.GIF - 2,833BYTES

 

十進BASICを使って上の積分式を数値計算してみます。以下に、そのプログラム

を示します。

 

PROGRAM-FURIKO-SHUUKI-SUUCHI-SEKIBUN.GIF - 8,013BYTES

 

振り子の振れ角パラメータにして数値積分した結果を以下に示します。

 

CAL-FURIKO-SHUUKI-SUUCHI-SEKIBUN.GIF - 7,034BYTES

 

上記の結果から振れ角が小さいときは周期の値は近似値に近いものになっていま

すが、振れ角が30度を超えて大きくなると近似値からかなりずれてくることが判り

ます。 この辺の状況は実験的にも確認できると思いますので、 確かめてみてくだ

さい。小中高の実験室では無理かもしれませんが、大学や筑波にある国の研究所

では大きな真空チャンバーがありその中で実験をやるという手はあります。オープ

ンラボなどでリクエストしてみてください。空気抵抗の影響を受けずに実験ができま

す。

 


 

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