ひもの張力


 

高校生が物理を学ぶ上で戸惑うのが物理現象の理想化です。 これは複雑な現象

を理想化することで、 扱っている問題を解き易くするという狙いがある為です。 上

記のテーマについて言えば、質量のないひもということになります。

 

では、 質量のあるひもA質量のないひもBとではいったい何が違うのでしょうか

。ここで、ひもが伸び縮みしないと仮定して議論を進めます(図1参照)。

 

HIMONOCHORYOKU.GIF - 3,650BYTES

 

まず、ひもAについて運動方程式を立ててみると、

 

重り1: M1ATF (M1A =T−F

ひも: ATT1 (mA =T−T1

重り2: M2AFT (M2A =F−T

 

となります。一方、ひもBについては

 

重り1: M1ATF (M1A =T−F

ひも: TT (0 =T−T

重り2: M2AFT (M2A =F−T

 

となります。 ここで、 加速度ベクトルAの向きは成分が+ならば右向きになります(

力のベクトルも同様)。  また、括弧内は大きさに関する式です(左向きには、を付

けている)。

 

ひもについての運動方程式を見ていただければ判るように、m=0の場合T

となっています。 これは、 ひもが単に重りと重りの間で力を伝達している

に過ぎないことを示しています。  ただし、 FとFとが完全に釣り合っているとき(

加速度がのとき )には、両者における違いはまったくありません

 

ひもの問題(その1)

ひもの問題(その2)

 

 

 


 

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