結び目の位置の高さが異なる場合のシミュレーション
ひもを結ぶ両端の位置の高さが異なる場合は、ひもの形状に対称性を仮定するこ
とができません。 したがって、 シミュレーションのバラツキを抑える新たな仕組みを
考える必要が出てきます。 ここでは、両端を直線で結んだときの勾配を考慮すると
同時に、RND関数の振り幅が両端で0となり、 中央部で最大となるように、 二次
関数的な重み付けを行いました。 また、 位置エネルギーが小さいものを平均化し
曲線のスムーズ化も併せて行っています。これによって、ひもの長さの設定値に対
する精度は多少落ちることになります。
以下に、シミュレーション結果を示します(図1参照)。この図において、縦方向のグ
リッド間隔は1です。
<結び目間の長さが7で、両端の高さの違いが2の場合>
(図1、十進BASICによる2Dグラフィックス)
シミュレーション条件は、分割数が11、長さの精度が0.1、データ数が2000、位
置エネルギーの上限値が−26.5となっています。 つまり、上記の精度を持つ20
00の曲線を求め、 その中から上記の位置エネルギー以下の10の曲線を平均化
したものが、上の図になっています。この平均化された曲線の長さとエネルギーは
、9.66と−27.0です。平均化によって、長さの精度が約0.4まで悪化している
ことが判ります。 データ数を増やし位置エネルギーの上限値をさらに下げれば、精
度も改善されると思いますので、やってみてください。上記で得た結果を別なシミュ
レーション方法の初期値として使うアイデアもあります。 一般的に、スタートする初
期値が最終的な解に近ければ近いほど、解を求めるための時間も短くなります。