抵抗


 

物質の中を流れる電流の本質は、物質内に存在するの電荷を持つ電子の流れ

です。 自由に流れることができる電子の数が多ければ、 導体になりますし、そうで

なければ、 絶縁体になります。 ダイオードやトランジスタの材料になっている半導

体は、それらの中間にくる存在と言えます。 では、抵抗はどうして生じるのでしょう

か。単純に言えば、物質内にある原子の集まりが電子の流れを邪魔するからです

。電子が原子とぶつかる度に、電子はエネルギーを失い逆に原子はエネルギーを

もらうことになります。この結果として、物質そのものが加熱されることになります。

この現象を上手く利用しているのが、  冬の寒い時期に皆さんが使っている電気ヒ

ーターなどの暖房器具です。ちなみに、電子は電源が生みだす電界からエネルギ

ーを受け取っています。   つまり、  上記の暖房器具内では電気エネルギーが熱エ

ネルギーに変換されていることになります。

 

理科の授業で習ったように、正の電荷を持つものは負の電荷を持つものに引かれ

ます。 したがって、 電子の流れる方向は電池の負極から正極へ向かう方向になり

ます。電流が流れる方向とはまったく反対になりますので、注意してください(学問

の歴史的な展開を尊重し、今でも修正されていない)。

 

超伝導体という言葉を聞いた方もあると思いますが、 これらの物質では抵抗が存

在しません(多くの場合は、絶対零度に近い温度で)。電子が原子とぶつかっても

電子がエネルギーを失わない特別な状態が形成されています。   ノーベル賞に繋

がったBCS理論などの進展はありましたが、   未だに多くの謎が残っているという

のが実態です。 興味がある方は、 将来挑戦してみてください。 良い研究成果を出

せば、何らかの賞を受賞することは間違いないと思います。特に、常温に近い温度

で超伝導体になる物質を発見または作製できれば、  その工業的な利用は爆発的

に増えるでしょう( 高温で超伝導状態になる新たな物質を見つけ、その特許を取れ

大金持ちになる!?)

 

話を抵抗に戻します。

 

 

 


 

Topへ