三角形の面積
三角形の面積と三辺の長さの関係を導いてみましょう。 まずは、 三辺の中で一番
長い辺に向かっている頂点から、その辺に垂線を引きます(図1参照)。
<AB=L1、BC=L2、CA=L3>L1&L2、CA⊥BH>
(図1、Functionviewで作成)
この三角形ABCの面積Sは、
S=CA・BH / 2=L3・BH / 2
です。ここで、二つの直角三角形ABHとCBHを考えます。ピタゴラスの定理を使
用しCHの長さをXとおくと、次の関係が得られます。
BH2=BC2−CH2=L22−X2 または、
BH2=AB2−AH2=AB2−(CA−X)2=L12−(L3−X)2
上式の右辺同士は等しいので、
L22−X2=L12−(L3−X)2
→ L22−X2=L12−(L32−2L3X+X2)
→ L22−X2=L12−L32+2L3X−X2
→ L22+L32−L12=2L3X
となり、これをXについて解くと
X=(L22+L32−L12)/ 2L3
が得られます。この結果から、三角形ABCの高さであるBHの二乗は、
BH2=L22−(L22+L32−L12)2/4L32
ゆえに、
BH={4L22L32−(L22+L32−L12)2}1/2/2L3
したがって、三角形ABCの面積Sは、
S={4L22L32−(L22+L32−L12)2}1/2 /4
となります。上式で、ルートの中を因数分解すると(課題として置きます。高校生の
方はトライしてみてください)、
(L1+L2+L3)(L1+L2−L3)(L2+L3−L1)(L3+L1−L2)
となります。さらに、s=(L1+L2+L3)/2とおくと、最終的に、
S={s(s−L1)(s−L2)(s−L3)}1/2
というヘロンの公式が得られます。
平面だけでなく、曲面も小さな三角形の集まりに分割すれば、上記の式を使って、
面積や表面積を正確に計算できることになります。 都市部に住んでいる方は、 自
宅の敷地面積をこの方法で計算してみてください。 坪あたりの土地単価が50万
円以上するような場所だと、自宅敷地が200坪を超えれば、間違いなく相続税が
大きく掛かってきます。 数学の好き嫌いに拘わらず、この程度の計算はできるよう
にしておいてください。