正十二角形の図形的な近似計算
正十二角形を用いた円周率の近似値の計算は、前ページの図3で角BOCを30度
として計算すれば良いわけです。 図1は前ページの図3における三角形BOCを抜
き出したものです。
<OB=OC=R ∠BOH=∠CBI=15°>
(Functionviewで作成)
点Hと点Iは、それぞれ、点Oから辺BCに、そして点Bから辺COに垂線を下ろした時
の交点です。 また、三角形OBHと三角形BCIは直角三角形であり、お互いに相似
関係になっています。したがって、次の関係が得られます。
OB:BH:HO=BC:CI:IB
→R:X:(R2−X2)1/2=2X:(4X2−R2/4)1/2:R/2
ここで、 角BOIが30度であり、三角形BOIが直角三角形であるため、辺BIはR/2に
なることに注意してください。辺BHはXと置きました。
上記の比の式をもとに、Xに関する四次式を導きます。T=X2とおいて、二次式に
変換して解いてみてください。中学生の皆さんでも解けると思います。
16X4−16R2X2+R4=0
→16T2−16R2T+R4=0
→T=X2={2−ルート3}R2/4、{2+ルート3}R2/4
→X={ルート3−1}R /2ルート2
Tに関する二つの解のうち、大きい方はRに近く解ではありません。 小さい方を二
重根号の問題として解くと、 四番目の式のようにX/R=(ルート3−1)/2ルート
ト2という結果が得られます。 以上から、円周率の正十二角形近似による値は、6
(ルート3−1)/ルート2ということになります(前ページの結果)。