正六面体型の抵抗の計算
点Aと点Gの間の抵抗値は既に前ページで計算しています。 ここでは、 他の二つの
場合について計算します。まずは、点Aと点Bの間の抵抗値RABを計算します(図1
参照)。各辺を流れる電流は、
I1=IAB
I2=IAD=IAE=ICB=IFB
I3=IDC=IEF
I4=IDH=IEH=IGC=IGF
I5=IHG
と分類できます。点Aと点Bの間に流れる全電流を I とすると、
I=I1+2 I2、I2=I3+I4、2 I4=I5
の関係が得られます。また、点Aと点Bの間の電圧は、
VAB=I1R=2 I2R+I3R → I1=2 I2+I3
となります。そして、点Eと点Fとの間の電圧は、
VEF=I3R=2 I4R+I5R → I3=2 I4+I5
となります。これら五つの式を連立方程式として解くと、
I1=7 I/12、I2=5 I/24、I3=I/6、I4=I/24、I5=I/12
が得られます。
<各辺の抵抗値は全てR>
(図1、十進BASICによる3Dグラフィックス)
従って、点Aと点Bの間の抵抗値RABは、
RAB=VAB/ I=7R/12
となります。 つまり、各辺の抵抗値を1オームとすると、 RAB=7/12オームとなり
ます。それでは、もう一つの場合である点Aと点Fの間の抵抗値RAFを計算してみま
す。各辺を流れる電流は次のように分類できます。
I1=IAB=IAE
I2=IAD
I3=IBF=IEF
I4=IDC=IDH
I5=IBC=IEH
I6=ICG=IHG
I7=IGF
点Aと点Fの間を流れる全電流を I とすると、
I=2 I1+I2、I1=I3+I5、I2=2 I4、I4+I5=I6、2 I6=I7
となります。点Aと点Hの間の電圧は、
VAH=I1R+I5R=I2R+I4R → I1+I5=I2+I4
さらに、点Eと点Fの間の電圧は、
VEF=I3R=I5R+I6R+I7R → I3=I5+I6+I7
となります。これら七つの式を連立方程式として解いて、
I1=3 I/8、I2=I/4、I3=3 I/8、I4=I/8、I5=0、I6=I/8、I7=I/4
が得られます。以上から、点Aと点Fの間の抵抗値RAFは、
RAF=VAF/ I=3R/8+3R/8=3R/4
となり、各辺の抵抗値を1オームとすると、RAF=3/4オームとなります。点Bと点C
の間及び点Eと点Hの間には、電流が流れない事に注意してください。