静止衛星の軌道半径
気象衛星や通信衛星などは、日本との相対位置が変化しないように赤道上空の
静止軌道上にロケットによって投入されます。 そうすることで、地球の自転周期と
同じ24時間で衛星は地球を一周することになります。
では、ケプラーの第三の法則を使って、その軌道半径を計算してみましょう。ケプ
ラーの法則から、軌道周期 Tと軌道半径Rの関係は以下のようになるので、
T2=4π2 R3 / G m
これをRについて解いて、
R=(G mT2/4π2)1/3
となります。ここで、Gは万有引力の定数であり、mは地球の質量です。
次に、実際に数値を代入して計算してみます。
地球の質量: 6.0 X 1024 kg
万有引力の定数: 6.7 X 10−11 N・m2/ kg2
軌道周期: 24 hrs ( =86400 s )
これらの数値を使うと軌道半径は約4.2 X 107 mとなります。つまり、地球の半
径が6000 kmありますから、静止衛星は赤道上空36000 kmを飛んでいること
が判ります。
最初に言及しませんでしたが、 以上の計算では地球を質点( 質量を持つが大きさ
を持たない点状の物体)と仮定して計算を行っています。現実には、地球自体は大
きさを持っています。この影響がどのくらいあるかを考えてみてください。