正多角形による円の面積の図形的な近似計算
円に内接する正多角形の周辺の長さを使って求めた円周率の近似値と比較する
為に、ここでは円の半径を1として正多角形の面積を計算します。
まず、 内接する正三角形の面積を考えましょう。 円周率のところでの図1を見てく
ださい。 線分AHは3/2であり辺BCはルート3ですので、 求める面積は3ルート3/
4となります。 ですから、円周率は1.299と近似できます。この値は周辺の長さを
使った場合のちょうど半分の値になります。
次に、内接する正四角形の面積を考えましょう。 円周率のところでの図2から、 辺
ABと辺BCはともにルート2になるので求める面積は2ということになります。 よって
、円周率は2と近似できます。以上の二つの結果から、周辺の長さを用いる場合に
比べて面積を用いる近似法は精度がかなり落ちることが判ります。
では、内接する正十二角形の面積を考えましょう。 円周率のところの図5から、 三
角形OBCの面積は線分OHに辺BCをかけて2で割ったものです。 したがって、正十
二角形の面積は線分OHに辺BCをかけて、さらに6をかけたものになります。ここで
、線分OHは(ルート3+1)/2ルート2であり、辺BCは(ルート3−1)/ルート2です。
。 ゆえに、正十二角形の面積(または円周率)は3ということになります。
最後に、 正N角形の面積はN・SIN(180度/N)・COS(180度/N)で与えられる
ことを付け加えておきます。 Nが限りなく大きくなったときの極限値は周辺の長さの
二分の一であるパイに収束することになります。