正多面体
立体的な図形は、中・高・大のいずれの入試問題においても、難易度の高い問題
として出題されています。 その一番の理由は、 立体的なものを平面である問題用
紙に書かなければならないため、 奥行きとか高さとかのイメージがつかみ辛い
点にあります。 ここでは、 正多面体の3Dグラフィックスを通して立体的なイメージ
に慣れてください。作図にはフリーソフトのFunctionviewを使っています。 このソフ
トには、 作成した立体図形をいろいろな角度から自由に見れる機能もあります。
興味がある受講生の方はソフトをダウンロードして実際に使ってみてください。問題
を解く上で一つの助けになるかもしれません。
まず、正四面体を示します(図1参照)。4つの各面は正三角形からできています(
ちなみに、辺の数は6で頂点の数は4です)。
隠れて見えない辺は赤い線で示しました。 以下に示す図は正四面体の展開図の
一つです(図2−1参照)。切り方によっていくつかの種類があります。他にどのよう
なものがあるか考えてみてください。 回転または裏返してみて形状が同じものは
同一の展開図と見なしてください。
上図において、ピンク色の部分は切り口を表しています。
二番目は、 正六面体(所謂、立方体)です(図3参照)。 6つの各面は正方形から
できています(辺の数は12で、頂点の数は8です)。
以下に示す図は正六面体の展開図の一つです(図4−1参照)。他にどのようなも
のがあるか考えてみてくさい。
次に、 正多面体と球の関係を検討しましょう。 正多面体は球に内接する立体図形
なので、 ある平面群で球を複数回カットすることで 正多面体を形成することがで
きます。球はその中心から半径方向に取ったどの回転軸に対しても対称性を持
つので、 正多面体に関しても、同様の性質を持つことが期待されます。 また、回転
対称な軸とカット面との関係も予想できるので、 正四面体の回転対称性 を最初に
考えます。
課題(その1)
正多面体には、 正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体の五
種類しかないと言われています。 五種類しかない理由を議論してください。 その数
学的証明はどうなりますか。
課題(その2)
上記の立体を形成するときの数学的制約 と現実世界でのものの形との関係を調
べてください。例えば、化学物質の分子構造とか鉱物の結晶などです。