上式に関する補足説明
空気抵抗がある場合の式について、 rが0に近づく極限においてその式が空気抵抗
がない場合の式になることを示します。まず、EXP(X)は次のように展開できます。
EXP(X)=1+X+X2/2+X3/6+・・・・・
したがって、r→0の極限においてEXP(−rt/ m)は以下の式で近似できます。
EXP(−rt/ m)=1+(−rt/ m)+(−rt/ m)2/2
上式で、三次以降の項は無視しました。では、速度の式から検討してみましょう。
X方向: VX=V0 COSθ・EXP(−rt/ m)
Y方向: VY=(V0 SINθ+mG/r)・EXP(−rt/ m)−mG/r
=V0 SINθ・EXP(−rt/ m)+(mG/r)・{ EXP(−rt/ m)−1}
r→0の極限において、X方向の式とY方向の式の第一項がそれぞれ、V0 COSθ、
V0 SINθになることは明白なので、Y方向の式の第二項だけを考えます。
第二項(Y方向): (mG/r)・{ EXP(−rt/ m)−1}
=(mG/r)・{ (−rt/ m)+(−rt/ m)2/2 }
=−G t + rG t2/ 2m → −G t
以上から、速度のY方向成分が V0 SINθ−G t に近づくことが判ります。
次に、位置の式を検討します。前ページの式を少し変形すると、
X方向: (mV0/r)・COSθ・{ 1−EXP(−rt/ m) }
Y方向: (m/r)・{ V0SINθ+(mG/r)}・{ 1−EXP(−rt/ m) }−(mG t/r)
r→0の極限において、位置のX方向成分は、
X方向: −(mV0/r)・COSθ・{ (−rt/ m)+(−rt/ m)2/2 }
=−V0 COSθ・(−t + r t2/ 2m) → (V0 COSθ) t
また、位置のY方向成分は、
Y方向: −(m/r)・{ V0 SINθ+(mG/r)}・{ (−rt/ m)+(−rt/ m)2/2}
−(mG t/r)
=−{ V0 SINθ+(mG/r)}・(−t + r t2/2m)−(mG t/r)
=−V0 SINθ・(−t + r t2/2m)−G t2/2
→ ( V0 SINθ) t−G t2/2
これで、全ての式の検証が終わりました。