L2+M2=N2を満たす自然数の組を求める
L=Mでないことは明白です。なぜなら、2L2=N2を満たす自然数 N は存在しませ
ん。両辺のルートをとると、左辺は無理数で右辺は有理数になります。 たぶん、皆
さんの多くはピタゴラスの定理(または三平方の定理)を習う過程で、 次のような
例に出会ったことと思います。
32+42=52 そして、 52+122=132
では、 このような組み合わせは無限にあるのでしょうか。 また、 どう すれば、その
組み合わせを効率よく求めることができるのでしょうか。 ここで、 少し考察してみま
しょう。
まず、L<M<Nとして、 しらみつぶしに探すプログラムを書いてみました。 1から1
00までのほぼ10万強( 正確には 100C3 )の組み合わせの中で52組見つかりま
した。この数字は、多いそれとも少ない!?
以下に、最初の25組を示します。
N=M+Aとおいて、 L2+M2=N2からL2=2AM+A2を導き、 これを満たすL、
、M、Aを求める方法もあると思いますので試してください。
さて、次数を一つ上げて、 L3+M3=N3 を満たす自然数の組は存在するのでし
ょうか。上のプログラムを変えてチェックしてみてください。
ちなみに、1から100までの組み合わせの中には存在しません。
フェルマーの最終定理(現在は、フェルマー・ワイルズの定理)
実は、 Ln+Mn=Nn について自然数 n が3以上の場合、 この式を満足する自
然数の組 ( L、M、N ) が存在しないことは、 17世紀のフランス人数学者フェルマ
ーによって証明されていたと言います。 ただし、その記録は残っていないため、20
世紀後半にワイルズによって再度証明されるまで、誰も証明できなかったことは有
名な話です。 n=3については、 数学者であるオイラーが証明を与えていることを
付け加えておきます。
したがって、 上記の式を満たす自然数の組を一つでもコンピュータを使って見つけ
れば、皆さんは歴史上に自分の名前を残せます(これは悪魔の誘惑!?)
課題として、L、M、N を整数まで拡張して考えてみてください。 n が偶数のときは
上記の定理に帰結すると思いますが、n が奇数の場合はどうなるでしょうか。 以下
のような組み合わせは無限にあるようですが。 それ以外の組み合わせも無限にあ
る!?
L=1、M=−1、N=0
また、0 を除いた整数に範囲を絞るとどうなるでしょうか!?
ピタゴラスの定理の図形的な証明
下図は、辺の長さが3:4:5の比になっている直角三角形です。ピタゴラスの定理
a2+b2=c2を図形の面積を使って表すと(図1参照)、
S(正方形ACDE)+S(正方形AFGB)=S(正方形CBHI)
=4XS(直角三角形BMC)+S(正方形JKLM)
=4X(3X4/2)+(4−3)2
=42+32
(=52)
となります。斜辺の長さの二乗に相当する正方形の面積c2を四つの直角三角形の
面積と一つの正方形の面積の和 4X(a b/2)+(a−b)2で置き換えられることに
注意してください。この値は結局、a2+b2となります。
(Functionviewで作成)
図2は、別な直角三角形(辺の長さの比、1:3:ルート10)です。上図と同様に、定
理を証明できます。
(Functionviewで作成)