相対性理論


 

地上にいる人間とロケットで宇宙を高速で飛んでいる人間では、 時間の進み具合

が違ってくるという話を聞いた方も多いかと思いますが、  これはアインシュタイン

特殊相対性理論の帰結です。 では、 時間の進み具合がどの程度違ってくるか

を計算してみましょう。 図1は、 ロケット内の状況を示したものです。床にレーザー

光の照射装置があり、 その真上の天井にはレーザー光を反射するミラーが設置さ

れています。 また、 ロケットは地球に対して速度で直線運動をしている仮定しま

す。

 

<ロケット内の状況を示した図>

SPECIAL-THEORY-RELATIVITY-TIME-1.GIF - 3,300BYTES

(図1、Functionviewで作成)

 

光の速度がどの座標系から見ても同じになるという条件がポイントになります。 上

図で、光が装置から出てミラーで反射され再び装置まで戻ってくる時間は、

 

=2L / C

 

となります。ここで、は装置とミラー間の距離で、は光の速度です。

 

<地上から見た光跡>

SPECIAL-THEORY-RELATIVITY-TIME-2.GIF - 3,183BYTES

(図2、Functionviewで作成)

 

図2は地上から見たレーザー光の光跡です。 ロケットの運動方向は天井方向とは

垂直になっています。  光は斜め方向に進むように見えるので、 光が装置とミラー

間を往復するために必要な時間はピタゴラスの定理を使って、

 

=2 ( L+V/4)1/2 / C

 

となります。これらの両式をLについて解いて等しいと置くと、

 

C T/ 2=( C−V1/2 / 2

→ T=( 1−V/ C1/2

 

が得られます。つまり、地上からロケット内で起こってる現象を観測すると、ロケット

の速度が光の速度に近づけば近づく程 時間の進み具合が遅くなってくることが判

ります。

 

課題(その1)

 

ロケットの進行方向の長さをロケット内で測定した場合と、 地上で測定した場合と

でどのような違いがあるかを議論してください。

 

議題(その2)

 

高エネルギーを持つ宇宙線が地球の大気圏に突入して、 寿命素粒子を発生

させたとします。その素粒子の速度が光速の95%だとすると、地上から見て素粒

子の寿命はどうなりますか。

 

課題(その3)

 

アインシュタインの理論を検証する意味でも、光の速度を正確に測ることは重要で

す。 光の速度を測る方法を議論してください。 アメリカの科学者であったマイケル

ソンモ―レ―はどのようにして光の速度を測りましたか。

 

課題(その4)

 

双子のパラドックスという一種のタイムマシーンに関する有名なパラドックスがあ

ります。特殊相対性理論はこのパラドックスを説明できますか。 ロケットに乗って出

発した兄は地球にいる弟と再び会うために、 どこかで向きを変えるために少なくて

も一度はロケットの減速と加速を行わなければなりません(地球での離着陸を考え

ると、二度になるが)。

 

 


 

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