惑星の運動と運動方程式(その1)
惑星が円運動をするための初期条件を考えてみましょう。 勿論、惑星の速度の大
きさは前ページの式(1)から求まる値を満足していないといけません。 また、 速
度の方向は万有引力による中心力に対して垂直でなければなりません。これは、
次にように示せます。
運動方程式は、
m (dV /dt)=−G m M(R /R3)
上式の両辺とV との内積を取ると、
m (V ・dV /dt)=−G m M(V ・R /R3)
→ m d(V ・V /2)/dt=0 (V ・R =0のとき)
→ V2=一定
上記において、 上から3番目の式はベクトルVとベクトルRが垂直であるときに限り
成り立ちます。また、中心力の形が−1/ R2ではなくても惑星の運動が円運動に
なることに注意してください。
最後に、バネの運動や振り子の運動と違って復元力として万有引力は機能しませ
んので、惑星の円運動は不安定なものになります。なんらかの原因で惑星の公転
速度が変わると、その惑星の公転軌道も変化することになります(元の軌道には戻
らない)。