方程式の解を求める
因数分解ができるか解の公式を使える場合は、 方程式を解析的に解くことは可
能です。 ただし、 これが難しい場合は、方程式をコンピュータを使って数値的に解
かねばなりません。 ここでは、両方のやり方で解ける方程式を使って、数値的に問
題を解くやり方を少し検討してみます。以下に、代表的な二次式のグラフと三次式
のグラフを示しました(図1参照)。
(BearGraphで作成)
上記の両式を因数分解すれば、次のような式になります。
<二次式>
Y=X2−3=(X−ルート3)(X+ルート3)
<三次式>
Y=2X3+3X2+X=X(X+1)(2X+1)
ゆえに、二次式の解はルート3と−ルート3であり、三次式の解は0、−1そして−
1/2となります。
では、これらの式を数値的に解いてみましょう。Y=0となるX座標の値が解になる
訳ですが、その前後でYの値の符号が変わっていることに注意してください。この
性質を使って数値的に解くことになります。
十進BASICのプログラムを以下に示します。解への収束性を高めるアルゴリズム
はいろいろありますが、 ここではシンプルに探すXの範囲を定めて、等間隔の刻み
幅で範囲の下限から上限までスイープする方法をとりました。
<三次式の解を求めるプログラム>
<二次式と三次式の交点を求めるプログラム>
次に、計算結果を示します。二次式と三次式の交点のX座標も求めました。刻み幅
は0.001としています。
二次式の解 → X=−1.733、1.732
三次式の解 → X=−1.000、−0.500、0.000
二次式と三次式の交点 → X=−1.405
次の一次式と四次式の交点を数値的手法を使って求めてください(図2参照)。 ま
た、 一次式がY=2X/ 3+Kであった場合、 Kの値によって四次式との交点の数
が異なってきます。交点の数をKの値によって分類してみてください。そして、Y=K
X+1/ 2の場合はどうでしょうか。
一次式: Y=2X/ 3+1/ 2 四次式: Y=(X+2)(X+1)X(X−2)
(Functionviewで作成)
課題(その1)
三次方程式(X3+AX2+BX+C=0)の解の公式を導出してください。
課題(その2)
四次方程式及び五次方程式の解の公式は存在しますか。もし、存在しないとする
と、その理由を議論してください。